新型コロナウィルスの流行とともに、マスクや次亜塩素酸水、アルコール製の品切れ状態が続いています。
ハイターなどの塩素系漂白剤を薄めて使用する方法や、厚生労働省は特例でアルコール濃度が70%~83%の酒を消毒液の代わりとして使用することを認めました。
次亜塩素酸水やアルコールの代わりになる、オゾン水と二酸化塩素を使った殺菌・消毒法がありましたのでご紹介していきたいと思います。
本サイトのリンクにはプロモーション(広告)を含むものがあります
-
正しい次亜塩素酸水の作り方ピューラックス・キッチンハイターの正しい薄め方・使い方
コロナの世界的大流行により、消毒液が不足し、なかなか店頭やインターネット通販で手に入らない状況になっています。 「消毒液 ...
続きを見る
オゾン水は次亜塩素酸水やアルコールの代わりになる?
オゾン水は次亜塩素酸水と同等の殺菌力があり除菌や脱臭、脱色など幅広い用途に使われる水のこと。
大腸菌やサルモネラ菌、ノロウィルスなど様々なウィルスを死滅、るコロナウィルスにも殺菌効果がある水溶液なのです。
また、除菌・脱臭した後にオゾンが酸素ガスに変わるため、洗い流す必要もなく排水対策も不要で、他の殺菌剤と比べて塩素などの刺激物を含まないので、人体に使用しても肌が荒れる心配がありません。
さらにオゾンはすぐに酸素に変化して残留しない性質を持っているので、野菜や肉・魚などの生鮮食品の殺菌にも安心して使える、安全性も非常に優れた物質と言えます。
一般的にオゾン水が使われている用途
オゾン水は医療現場や介護施設での消毒、洗浄や治療に使われていたり、食品工場や農水産業で食品の殺菌、鮮度を保つのに使われています。
他にも自宅やホテルなどの空気洗浄やタバコ、ペットの臭いの脱臭、クリーニング業界では衣類の漂白などにも使われており、幅広い分野で効果を発揮しているのです。
オゾン水の安全性と殺菌力について
「オゾン」という言葉を聞くとなんか怖いなとか、環境問題をイメージする人が多いのではないでしょうか。
私達が「オゾン」という言葉に悪いイメージを浮かぶ理由に、人間が作り出している「フロン」という化学物質によって、紫外線から私たちを守ってくれるオゾン層が破壊されているという問題があります。
では、オゾン水は安全なのか?効果はあるのか?と疑問に思う人もいると思いますが、厚生労働省に食品添加物として認められている安全な物質です。
※食品添加物とは食品を固めたり着色料、調味料、保存料として使われるものを指し除菌効果や安全性を認められたもの。
オゾン水の使い方
家庭でオゾン水を使う場合、手洗い用として使用するには流水で15秒~30秒ほどもみ洗いすることで、ウイルスを除去できます。
臭いが気になる場合は、スプレー容器にオゾン水を入れて、シュッと吹きかけて除菌・消臭。
食品に使う場合、野菜やその他の食品を直接流水で流すことで鮮度を保つことができます。
また、うがい用としても使用することができ、口腔内の除菌が期待できるのです。
それから、オゾン水をご家庭で作る場合は置き型のオゾン発生器や、水道の蛇口に直接取り付ける生成器、両方の機能を持った製品も販売されていますよ。
デメリット・メリット
オゾン水のメリット
- 除菌効果が高い
- 残留性がなく安全性が高い
- 刺激が少ない
- コストが少ない
オゾン水の殺菌能力は強く、具体的には以下のようになります。
オゾン水>二酸化塩素>次亜塩素酸>次亜塩素酸イオン
また塩素系の物質を含まないので、時間がたつとただの水になり、刺激も少なく、洗い流す必要もないので食品や人体にも安心して使えます。
次亜塩素酸水やアルコールで除菌すると手荒れしてしまう人がいますが、オゾン水は刺激が少ないので肌が弱い人でも安心して使うことができるのです。
そしてオゾン水生成器さえあれば、必要なものは水道水と電気代のみなのでコストを抑えることができるのもオゾン水のメリットと言えるでしょう。
オゾン水のデメリット
- 初期費用が高い
- 長期保存ができない
- 他の有機物が混ざると除菌効果が落ちる
オゾン水を作るのに必要な家庭用のオゾン生成器は、大体1万円~5万円程するので、コストが抑えられる一方、購入時に費用がかかります。
また濃度を保ったまま長期保存ができないので、20分~30分ほどでオゾンが半減し数時間で効果がなくなってしまうため、すぐに使い切らなければなりません。
それから、オゾン水はほかの有機化合物と混ざるとオゾンがその物質に反応してしまい、効果が半減してしまうので、汚れをしっかり落としてから使う手間がかかります。
オゾン水を使う時の注意事項
オゾン水を使うときの注意事項は以下になります。
- オゾン水で流す前に、手や対象物の汚れをしっかり落としてから使用する
- 使用濃度、使用時間に気を付ける。0.1ppm以下、但し1日8時間、週40時間以内の作業時間(家庭で使用する場合は換気をしっかりすれば問題ありません)
- 使用する直前にオゾン水を作成し、20分~30分以内に使い切る。時間がたってしまったらまた作り直す。
- 害はありませんが、飲むことは日本では認められていないのでうがいまでで留める
- オゾン水は凍らない限り使えますが、水温が高くなるとオゾンが分解されてしまい、濃度が下がるので5℃~35℃以内で作るようにする。
二酸化塩素とは
二酸化塩素とは、水によく溶ける黄緑色~茶褐色の殺菌効果がある物質です。
この物質は性質上水溶液にすることができず、商品化することは難しかったのですが、アメリカで研究が進み二酸化塩素をアルカリ性水溶液に溶かして安定させた物質を作ることに成功しました。
これを安定化二酸化塩素と呼び、殺菌・消毒、脱臭や防腐などの効果を、アメリカ環境保護庁、アメリカ食品薬品局、世界保健機構(WHO)に認められ、商品化されたのです。
安定化二酸化塩素は液状や顆粒、ゲル状のものがあり、アメリカで主に販売されている商品にインターナショナルデオキサイド社が販売している「アンチウム・デオキサイド」があります。
日本では「クレベリン」などの商品が販売されていますが、消毒液としては認可されていないので現状では雑貨として販売されているのです。
二酸化塩素の安全性と殺菌力について
塩素と聞くと、ハイターなどの漂白・殺菌力が強い塩素系漂白剤をイメージする方が多いのではないでしょうか。
二酸化塩素も同様で、次亜塩素酸ナトリウムよりも殺菌作用が高く、酸化力が強い物質です。
また、ほとんど臭いもなく、酸性からアルカリ性まで幅広い物質に効果がある、非常に優れた薬剤。
二酸化塩素の安全性ですが、日本では消毒剤としての使用は認められていない一方、食品添加物として使用されていて主にプールの水の消毒、小麦粉の漂白処理などに使われています。
これは経口摂取での安全性は確認されているものの、長期間低濃度でさらされた場合の安全性の検証が不安定なことが理由です。
ですが、安定化二酸化塩素による除菌は、トリハロメタンのような塩素化合物が生成されないので、有害な物質を作る可能性のある次亜塩素酸ナトリウムより安全性が高いと言えるでしょう。
一般的に二酸化塩素が使われている用途
二酸化塩素は、日本国内では主に、水道水、温泉やプールの水の殺菌・消毒、小麦粉の漂白処理など食品添加物として使われています。
それから雑貨として販売されているものは厨房、食品加工工場の除菌・消臭として使用されているのです。
二酸化塩素は世界では主に、食品や医療用殺菌消毒として、空間除菌や消臭、手指の消毒、工業廃棄物の処理など幅広く使われています。
二酸化塩素の使い方
二酸化塩素を家庭で使う場合、空間除菌・消臭が目的であればゲルタイプの置き型の製品を部屋に置くだけで、殺菌・消毒効果を期待できます。
臭いが気になったり、対象の物を除菌したい場合はスプレータイプの製品で直接スプレーし必要に応じてふき取ってください。
また首からぶら下げたり胸ポケットに入れて持ち歩くだけで、身の回りを除菌・消臭してくれるタイプの製品も販売されているので手軽に使うことができます。
安定化二酸化塩素は主に2種類のタイプに分かれており即効性が高い液状のスプレー、持続性が高いゲル状やシート、スチームのものがあり、用途に合わせて製品を選べます。
メリット・デメリット
二酸化塩素のメリット
- トリハロメタンなどの有害物質をほぼ作らない
- 酸性からアルカリ性まで幅広い物質に効果がある
- 残留性があるので効果が持続する
次亜塩素酸ナトリウムは消毒薬として使用すると、物質に含まれるナトリウムと有機物が反応して有害物質であるトリハロメタンを作ることがあります。
一方、二酸化塩素はナトリウムを含まない物質なので有害物質であるトリハロメタンを作ることがありません。
また、pH(アルカリ性~中性をリトマス紙で計測した単位)に影響されにくく、この数値が高くなるほど消毒力がアップします。
さらには、他の物質と比べて残留性が高いので細菌やウイルスを長時間抑えられるのです。
デメリット
- 金属類がさびる可能性がある
- 爆発する恐れのあるガスなので取り扱いに注意が必要
- 認可されていなく、医薬品として認められていない
二酸化塩素は酸化力が強い物質なので、金属類が錆びる場合があります。
すぐに錆びることはありませんが、金属に使用する場合はあとから水で洗い流すなど対処が必要。
また、高濃度、特殊な環境でなければ起きないといわれていますが、二酸化塩素は爆発性のガスなので爆発の可能性があるので注意しなければなりません。
それから、日本では認可が下りていないため、医薬品ではなく雑貨として販売されています。
なので製品の主成分表示の義務がないため、不適切な表示や広告で販売されている製品もあるので購入時は注意が必要ですね。
二酸化塩素を使う時の注意事項
二酸化塩素を使うときの注意事項は以下になります。
- 近くで直接吸い込まないようにする
- 色落ちの恐れがあるものには漂白する恐れがあるため使用しない。
- 医薬部外品や医薬品とうたわれている商品もありますが、日本では成分表示が義務付けられていないので、不適切な表示でないか確認が必要です。
二酸化塩素は、直接吸い込むと粘膜を刺激し、気管支炎や喘息を引き起こす可能性があるため、近くで直接吸い込むことは非常に危険なのでやめましょう。
また物質を酸化する性質があり、漂白する恐れがあるので色落ちする可能性のある物は使用を控えてください。
そして、認可されていないので成分表示が義務づけられていないのですが、医薬部外品や医薬品と表示されている製品もあります。
購入時は表示をしっかり確認し、成分表示がされている物を選んで購入しましょう。
おすすめのオゾン水と二酸化塩素
電解オゾン水除菌スプレーQUEOWS(キューオス)
水を入れるだけで簡単にオゾン水が作れるスプレーです。
値段が10万円台とかなり高額ですが、必要なときに必要な量のオゾン水を瞬時に作ってくれるのでかなり便利です。
もう少し詳しい説明はこちら
強力除菌・消臭水「ウィンカムケア」
二酸化塩素が主成分の除菌・消臭スプレー。強力な除菌力から航空会社の機内やラウンジなどでも使われています。
洗うことができないソファーやカーペット、汗のしみ込んだ寝具類などもこちらのスプレーで除菌ができるんですよ。
【参考資料】
https://www.youtube.com/watch?v=TtQFt_HltM4
https://www.ozonemart.jp/
https://ailove.co.jp/ozone/q&a.htm
https://www.meister-coating.com/guide/care/009.php
https://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=5305
https://7jigen.com/info/4MMS.pdf
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=12279