野菜不足を解消するために青汁は本当に効果があるのでしょうか?
青汁を摂取するとビタミンや食物繊維が豊富でダイエットにも効果的ということは分かりますが、具体的にどういう栄養素が入っているのか気になります。
野菜不足で起きる症状
普段の食生活で野菜不足が起きると、食物繊維の摂取量が少なくなり便秘になりやすくなります。
また、ビタミンやミネラルなどの栄養素も不足し、吹き出物やニキビなど肌トラブルも多くなるので、積極的に野菜を食べるようにしましょう。
野菜不足に「青汁」は効果的なのか?
青汁とは、ケールや大麦若葉、明日葉などの青菜を絞ったもの。
青汁にはミネラル、ビタミン、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれているため、野菜不足にはもってこいの飲み物です。
継続的に飲み続けることで、日々の野菜不足はもちろん、便秘や肌荒れなどの改善にも効果が見込めます。
青汁と野菜ジュースの違いって?
青汁と野菜ジュースの大きな違いは3つあります。
栄養素
野菜ジュースと青汁では製法が違うため、含まれる栄養素の量が大きく変わってきます。
野菜ジュースの製造方法は「濃縮還元」という加熱処理、青汁は「フリーズドライ製法」「低温乾燥法」などの非加熱処理で作られることがほとんどです。
食物繊維の量
青汁の方が野菜ジュースよりも多くの食物繊維を含んでいます。
もちろん野菜ジュースにも食物繊維は含まれていますが、野菜ジュースはのどごし、飲みやすさを重視して作られるため、食物繊維をある程度除去して作られることのほうが多くなっているんです。
そのため、素材そのままを使用している青汁は野菜ジュースに比べ、より多くの食物繊維を摂取できます。
カロリー
野菜ジュースは青汁と違い、トマトやニンジンなどの糖質を多く含む野菜を使用していたり、果物を使用しているものもあるので、カロリーが青汁よりも高くなっています。
ダイエット目的で飲むのであればカロリーの低い青汁がおすすめです。
主な青汁の原料7つ
ケール
地中海沿岸が原産のアブラナ科の植物で、温暖な気候であれば一年中収穫可能。
また、キャベツとよく似た形をしていますがキャベツと違って葉が丸く重なっていません。
ケールの栄養素 ※100gあたり
カロリー:28kcal・脂質:0.4g・飽和脂肪酸:0g・多価不飽和脂肪酸:0.1g・一価不飽和脂肪酸:0g・ナトリウム:9mg・カリウム:420mg・炭水化物:6g・水溶性食物繊維:0.5g・不溶性食物繊維:3.2g・タンパク質:2.1g・ビタミンC:81mg・カルシウム:220mg・鉄:0.8mg・ビタミンB6:0.2mg・マグネシウム:44mg
ケールの健康効果
目の健康に働きかける効果・皮膚や粘膜を丈夫にする効果・老化を防ぐ効果・睡眠を促す効果・ストレスをやわらげる効果・免疫力を高める効果・美肌効果・歯と骨を丈夫にする効果・血流を改善する効果・便秘を解消する効果
引用:わかさ生活
大麦若葉
大麦若葉はイネ科の植物で、穂が出る前に20cm~30cmに成長したもののこと。
収穫時期が厳冬期ということから農薬を一切使わない安全性があります。
また、豊富なビタミン、ミネラル以外にも抗酸化フラボノイドが含まれていることから栄養価も高く、抹茶感覚の風味もあるため、初めて青汁として飲む人でも飲みやすい味わいです。
大麦の栄養素 ※100gあたり
カロリー:340kcal・脂質:1.3g・飽和脂肪酸:0.4g・多価不飽和脂肪酸:0.6g・一価不飽和脂肪酸:0.1g・コレステロール:0mg・ナトリウム:2mg・カリウム:170mg・炭水化物:78g・水溶性食物繊維:6g・不溶性食物繊維:3.6g・タンパク質:6g・ビタミンC:0mg・カルシウム:17mg・鉄:1mg・ビタミンD:0μg・ビタミンB6:0.1mg・コバラミン:0μg・マグネシウム:25mg
大麦若葉の健康効果
無機質(鉄分・亜鉛・カルシウムなど)を豊富に含み体調改善・ビタミンが豊富で免疫力アップ・酵素が豊富でアンチエイジング
明日葉(あしたば)
明日葉はセリ科の植物で、今日葉を摘んでも明日には芽が出ると言われるほど生命力が強い植物です。
ビタミン、ミネラル、食物繊維がバランスよく摂取できる野菜で、近年健康野菜として注目されている食材の一つ。
また、カルコンというポリフェノールも含まれる植物のため、アンチエイジングやむくみ予防など女性に嬉しい効果が見込めるほかにも、高血圧、糖尿病の予防などの効果も期待できます。
明日葉の栄養素 ※100gあたり
カロリー:33kcal・脂質:0.1g・ナトリウム:60mg・カリウム:540mg・炭水化物:7g・水溶性食物繊維:1.5g・不溶性食物繊維:4.1g・タンパク質:3.3g・ビタミンC:41mg・カルシウム:65mg・鉄:1mg・ビタミンB:60.2mg・マグネシウム:26mg
明日葉の健康効果
動脈硬化を予防する効果・高血圧を予防する効果・糖尿病を予防する効果・免疫力を高める効果・便秘を解消する効果・美肌効果・骨粗しょう症を予防する効果・認知症を改善する効果・むくみを改善する効果
引用:わかさ生活
モロヘイヤ
エジプトが原産であるモロヘイヤにはβ₋カロテンの含有量が野菜の中でもトップクラス。
他にもビタミンやミネラル、日本人に不足しがちなカルシウムも多く含まれます。
モロヘイヤが栽培されているのは暑い地域なこともあり、夏が旬な野菜です。
モロヘイヤ特有の粘り気でさっぱり食べやすく、栄養価も高いので、夏バテ解消の野菜になっています。
モロヘイヤの栄養素 ※100gあたり
100gあたりの栄養価
エネルギー:38kcal・炭水化物:6.3g・食物繊維:5.9g・脂肪:0.5g・タンパク質:4.8g・ビタミンA相当量β-カロテン:840μg・チアミン(B1):0.18mg・リボフラビン(B2):0.42mg・ナイアシン(B3):1.1mg・パントテン酸(B5):1.83mg・ビタミンB:60.35mg・葉酸(B9):250μg・ビタミンC:65mg・ビタミンE:6.5mg・ビタミンK:640μg・ナトリウム:1mg・カリウム:530mg・カルシウム:260mg・マグネシウム:46mg・リン:110mg・鉄分:1.0mg・亜鉛:0.6mg・銅:0.33mg・セレン:1μg引用:Wikipedia
モロヘイヤの健康効果
イライラやストレスの緩和・骨粗しょう症の予防・アンチエイジング・貧血予防
桑の葉
桑の葉とはクワ科の落葉樹で蚕のエサとして知られていますが、古来より体にいいとされ、中国では漢方として飲用されてきました。
桑の葉には、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を予防する食物繊維やカルシウム、鉄分、ミネラル、ビタミンが豊富に含まれています。
またDNJ(1-デオキシノジリマイシン)という成分が含まれており、糖質の分解の働きを妨げる効果があるため、血糖値の上昇も抑えてくれるんです。
桑の葉の栄養素
食物繊維 / カルシウム / 鉄 / 亜鉛 / ビタミンA / ビタミンB1 / カロテン / エルゴステロール / ルチン / ガンマーアミノ酪酸 / モランA / クワノンG / クワノンH / 1-デオキシノジリマイシン(DNJ)
引用:https://www.1198.co.jp/about.html
桑の葉の健康効果
血圧降下 / 血糖降下 / 高血圧予防 / 糖尿病予防 / 動脈硬化 / 鎮痛効果 / 解熱効果 / 鎮咳効果 / 去痰効果 / 利尿効果 / 発汗効果 / 抗菌効果 / 脳出血予防 / 脳軟化症予防 / 心臓疾患予防 / 骨粗しょう症(エルゴステロール) / 疲労回復 / 性欲増進 / 冷え性 / ストレス軽減 / コレステロール値正常化 / 発がん抑制 / 子供の成長促進 / 薄毛 / 脱毛 / 火傷
引用:https://www.1198.co.jp/about.html
ヨモギ
ヨモギはキク科の多年草で、食用以外にも薬用として用いられてきました。
その効果としては風邪の予防や体内の寄生虫駆除など様々。
そのため食べること以外に、薬や入浴剤、お灸の材料などとして使われています。
よもぎにはクロロフィルという抗アレルギー成分が含まれているため、アレルギー性のアトピーなどにも効果が期待できるんです。
ヨモギの栄養素
ツヨン、β-カリオフィレン、ボルネオール、カンファー、脂肪油のパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2
引用:日本食品標準成分表
ヨモギの健康効果
便秘解消・痔の予防・ダイエット効果・浄化作用
クマザサ
クマザサはイネ科ササ属の一種で、抗菌、殺菌効果に優れている植物です。
クマザサを取り入れることで、胃の中の細菌の増殖を抑える効果があるので、胃炎や胃潰瘍などの改善にも効果があると言われています。
またそのほかにも食物繊維やビタミン、ミネラルも豊富に含まれているので動脈硬化、高血圧などの予防にも効果が見込めるんですよ。
クマザサの栄養素
サルコリンA, B、多糖類 、トリテルペノイド (β-アミリン、フリーデリン、グルチノール)
クマザサの健康効果
口臭予防・動脈硬化予防・高血圧改善など
市販されている青汁のタイプ
青汁はドリンクタイプ、粉末タイプの二種類が主流となっていますが、最近ではサプリメントなどの錠剤タイプやジュレタイプなど飲みやすい工夫がされたものが販売されています。
ドリンクや粉末、錠剤などはスーパーやドラックストア、インターネットで販売もされており、ジュレタイプなどの特殊なものはインターネットのほうが種類が豊富です。
店頭やインターネットで検索してお気に入りのものを探してみてはいかがでしょうか。
青汁飲み方は?
粉末タイプの青汁は120~180mlの水に溶かし、よく混ぜて飲みます。
また青汁は飲むタイミングによって効果が変わってくるんです。
- 野菜不足・口臭予防
- ダイエット目的
- 便秘解消
野菜不足や口臭予防を目的とするのであれば、栄養素の吸収がよくなる寝起き後に飲むといいでしょう。
ダイエットを目的として飲む場合、食事の前に飲むことで食べ過ぎ防止や、食物繊維の効果で脂質の吸収を抑えてくれます。
食事の10~15分前に飲むことで血糖値の上昇も抑えてくれるんですよ。
便秘解消を目的とする場合は就寝前の飲用がおすすめ。
青汁の美味しい飲み方は?
青汁を牛乳や豆乳に溶かして抹茶オレ風にすると格段に飲みやすく、おいしくなりますよ。
また、スープやドレッシングなどに混ぜるなどのアレンジを加えると、普段の食事と一緒に青汁の栄養素も摂取できるのでおすすめです。
青汁のおいしい飲み方や料理レシピなど紹介しているサイトもあるので、チェックしてみてはいかかでしょうか。
青汁を選ぶポイントは?
青汁を選ぶポイントは
・粉末の溶けやすさ
・ライフスタイルに合わせたタイプ選び
・青汁を摂取する目的
など、自分に合ったものを選ぶのが最適です。
特にコレステロール対策などの目的があり、効果をより得られたい場合はトクホを取得している青汁を選びましょう。
トクホ(特定保健用食品)には、「特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該保健目的が期待できる旨の表示が許可された食品をいう」という定義があります。
しっかりとした目的がある場合はただ青汁を飲むだけではなく、トクホを取得している青汁を選ぶことがポイントです。
青汁に関してのQ&A
下痢・便秘になる
青汁には食物繊維が豊富に含まれており便秘解消の効果が期待できますが、飲みすぎてしまうと下痢や便秘を引き起こしてしまう可能性があるんです。
まず、食物繊維には水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」が含まれています。
水溶性食物繊維は、水によく溶けることで便を柔らかくし、腸内での便の動きをスムーズにしてくれるので、便秘に効果的なのです。
ですが飲みすぎにより食物繊維を過剰摂取してしまうと、腸内の水分が増えすぎてしまい下痢を引き起こしてしまう可能性があります。
また、青汁には水に溶けにくい「不溶性食物繊維」も含まれているため、摂りすぎてしまうと水に溶けずに体内に停滞してしまい、便秘を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
青汁を飲むと吐き気・じんましんが出る
青汁には多くのビタミンが含まれていますが、摂取しすぎるとビタミン過剰症というビタミンの過剰摂取によって吐き気や蕁麻疹などを引き起こす症状があります。
青汁には「脂溶性ビタミン」が含まれており、「脂溶性ビタミン」とは水に溶けにくく体内に吸収されやすい性質を持つビタミンのことです。
脂溶性ビタミンを過剰摂取してしまうと、体外に排出されず吸収されてしまうことで、アレルギー症状や吐き気、食欲不振、発疹というような過剰症を引き起こしやすくなってしまいます。
パッケージに記載の量用を守り、適正な量を摂取しましょう。
高カリウム血症になるって本当?
腎臓に疾患を抱えており、「ワーファリン」という薬を服用している人は、青汁の摂取に特に注意しましょう。
腎臓疾患による腎機能の低下は、体外へのカリウムの排出量が少なくなってしまうので、血中のカリウム濃度が高くなりやすいです。
その状態でビタミンやカリウムが豊富に含まれる青汁を摂取してしまうと高カリウム血症を引き起こしてしまう可能性があります。
また「ワーファリン」には血栓ができるのを防ぐ作用がありますが、青汁に含まれるビタミンKは血液の凝固作用があるので、服用している人は成分に注意して青汁を選びましょう。
肝臓に良くないって本当?
重度の肝機能障害を抱えている人や、C型肝炎の人は注意が必要です。
青汁にはたくさんの栄養素が含まれていますが、その一つの鉄分が肝臓に影響を及ぼす可能性があります。
貧血の防止に役立つ鉄分ですが、鉄は肝臓に付着しやすいため、過剰に摂取することで細胞にダメージを与えてしまうんです。
そうすることで肝機能障害を重症化させてしまう可能性があると言われています。
そうならないためにもパッケージに記載されている目安量での摂取を心がけるようにしましょう。