「賞味期限」と「消費期限」って似てる名前ですが、厳密にどんな違いがあるか知っていますか?
正しく理解していないと、期限切れでもまだ食べられる食品を棄てたり、期限切れのものを食べてお腹を壊したりする恐れも。
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賞味期限と消費期限って何?
つまり、賞味期限を超えていても「おいしく」食べられる期限を過ぎただけで、すぐに食べられなくなる訳ではないんです。
この期間内であれば、劣化等により、食品の品質に問題が生じることは無いと保証されています。
消費期限は賞味期限とは違い、期限を過ぎると食品の安全性は保証できないので、食べない方が良いとされているんです。
賞味期限と消費期限の比較表
消費期限と賞味期限の違いについて、さらに詳しく書いていきたいと思います。
賞味期限と消費期限の表示方法を比較
賞味期限の表示方法 | 消費期限の表示方法 |
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賞味期限は「令和2年4月29日」のように、年月日まで記入するのが基本。
ただし、期限が3か月を超える場合には、「令和2年4月」のように、年月のみで表示することもできます。 |
消費期限は、「令和2年4月29日」のように年月日まで表示し、年月のみで表示することはできません。
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賞味期限、消費期限ともに基本的な表示方法は同じで、年月日まで記載することになっています。
しかし、3か月を超える食品への記載ができる賞味期限に対し、消費期限はそれができません。
これは消費期限は品質が劣化しやすく、なるべく早めに食することが望まれる食品に表示されるためなんです。
賞味期限と消費期限の決め方は?
賞味期限と消費期限は、製造業者が責任を持って設定しなければなりません。
科学的・合理的な根拠に基づいて期限を設定するために、以下のような3つの方法を用いるんです。
※スマホは横スクロール
賞味期限と消費期限を決める評価項目 | ||
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理化学試験 |
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色・濁りや粘り・水分やphの測定など。 |
微生物試験 |
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微生物が繁殖していいないか、油脂の劣化などを判断。 |
官能評価 |
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見た目・色・風味などを判断。 |
これらの試験によって、「食べられる最大の期間」を明らかにすることができます。
そうすることで、1~2日過ぎても問題なく食べられるようになっているのよ。
賞味期限・消費期限が表記される食べ物とは
賞味期限と表記している食品 | 消費期限と表記している食品 |
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「賞味期限切れ」と「消費期限切れ」はいつまで食べられる?
賞味期限切れ | 消費期限切れ |
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賞味期限が切れてから3日は安全にたべられる。 ※保存状態や食品によっては数十日間安全に食べれる。 |
基本消費期限切れは食べるのは良くない。 ※食べるのは自由だけど自己責任になる |
「賞味期限」を過ぎた食品であっても、必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありませんので、それぞれの食品が食べられるかどうかについては、消費者が個別に判断する必要があります。
客観的な項目(指標)に基づいて得られた期限に対して、一定の安全をみて、食品の特性に応じ、1未満の係数(安全係数)をかけて期間を設定することが基本。
【安全係数の計算方法】
製造日から商品期限までの日数×(1未満の係数)0.6~0.8=〇〇
安全に食べられる基準として、未開封であることや食品が置かれている環境によっても異なります。
上記の計算方法で割り出した以上の日にちが経過しても、カップ麺など乾燥している食品は、賞味期限が切れても数か月間安全に食べれる物もあるんですよ。
ただわざわざ計算するのは大変なので、最低でも賞味期限が切れてから「3日以内なら安全に食べれる」ということを覚えておきましょう。
「消費期限」を過ぎた食品は品質(状態)の劣化により、安全性を欠く可能性が高いので、食べないようにしてください。
1日から3日前後くらいなら食べても大丈夫そうな食品もありますが、「安全」とは言い難いので、食べない方がいいでしょう。
賞味期限切れと消費期限切れの食品を食べる注意点
賞味期限切れの注意点
賞味期限切れのものでも、3日以内なら安全に食べることはできますが、場合によっては注意が必要です。
開封したままのものだったり保存方法が間違っているものは、品質が劣化しやすく、賞味期限が短くなってしまいます。
なので、開封しているか、または食品に記載されている保存方法で保管していたかを確認するようにしましょう。
変なにおいや味はしないか、変色していないかなどをチェックすると、さらに安全に食べることができますよ。
消費期限切れの注意点
消費期限が切れた食品は食べない方が良いのですが、「消費期限が切れていても加熱すれば大丈夫じゃないか?」と思う人もいると思います。
実際、消費期限を過ぎた食品に繁殖しやすい食中毒菌などは、熱に弱く加熱することで死滅する場合があります。
しかし食中毒菌の中でも、セレウス菌やボツリヌス菌などの菌は加熱しても死滅しないため、腹痛や頭痛などの体調不良を引き起こす可能性があるんです。
なので、加熱して食べることもやめておきましょう。
賞味期限と消費期限を延ばす「保存方法」
食品の品質を保ち、安全に食べるには、正しい方法で保存することがとても大切です。
また、正しく保存することで、賞味期限が切れた食品でもおいしく食べることができます。
そこで、賞味期限と消費期限を延ばす「保存方法」についてご紹介します。
常温保存
- 米
- 飲み物類(ミネラルウォーター、野菜ジュースなど)
- 卵・乳製品
- 缶詰
- 調味料(みそ、しょうゆ、塩、砂糖など)
常温保存は、温度が決まっている訳ではないですが、一般的に15℃~25℃の範囲で冷蔵庫に入れずに保存します。
ただし、直射日光が当たらず、温度の変化が少ない所で保存するようにしてください。
例えば、自宅だと日が当たりにくい廊下や物置、床下収納や台所の下などが良いですね。
ただし、床下収納や台所の下は、湿気が多くなりやすい場所でもあります。
湿気が高いことは品質の劣化に繋がるので、定期的に換気するようにしたり湿気取りを設置して、湿度を下げるような工夫をすると良いですよ。
冷蔵保存
- 生肉(牛肉、豚肉、鶏肉など)
- 魚
- 豆腐
- 野菜・果物
- 納豆
- 漬物
冷蔵保存とは、10℃以下の温度で保存することで、多くの場合は冷蔵庫に入れて保存します。
冷蔵保存できる食品には上記のようなものがありますが、冷蔵庫は収納する場所によって温度が違い、それぞれの場所に適した食品があるので注意してください。
チルド室は約0℃と低い温度設定になっているので、肉や魚介などの鮮度が落ちやすい生鮮食品を入れましょう。
野菜室は約6℃と、少し高めの温度設定になっており、野菜や果物を入れるようにしてください。
その他の食品は、通常の冷蔵室に入れると良いですよ。
冷凍保存
- 肉類
- 魚類
- 加工肉(ベーコン、ハムなど)
- ご飯
- パン
冷凍保存とは、-15℃以下の環境で保存することで、冷凍室を使って保存します。
食品が凍ると菌の増殖が抑制されるため、長期的な保存に適しているんです。
冷凍保存で重要な点は、空気に触れないようにすることと、鮮度が高いうちになるべく早く冷凍すること。
そうすることで、品質を保ったまま保存することができ、解凍後もおいしく食べることができます。
なので、冷凍する際はラップや保存バッグで密閉し、なるべく小分けにするなど早く凍るような工夫をして保存するようにしましょう。
「賞味期限」と「消費期限」に対してのその他の知識
「賞味期限」と「消費期限」について説明してきましたが、これまでご紹介してきた内容以外にも、覚えておいて損は無い知識があるんです。
ここからは、その他の知っておいた方が良い知識について、ご紹介していきますね。
「賞味期限」と「消費期限」が書かれていない食品があるのはなぜ?
消費期限が書かれていない食品
- でん粉
- チューインガム
- 冷菓
- 砂糖
- アイスクリーム類
- 食塩及びうま味調味料
- 酒類
- 飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓をつけたものを除く。)
又はポリエチレン製容器入りのものに限る。) - 氷
上記に記載した食品は、「賞味期限」と「消費期限」が書かれていないもの。
賞味期限の記載がないと不安に思う人は多いと思いますが、長期的に保存しても食べられなくなる心配はありませんよ。
ただし、保存方法を間違うと品質が劣化する可能性があるので、正しく保存するようにしましょうね。
「食品ロス」を防ぐためにも賞味期限は今後伸びる
日本の食品ロスは年間643万トン、世界全体では生産された食料のうち約1/3が廃棄されていると言われており、年間廃棄量は13億トンにも及びます。
食品ロスは食べ物を無駄にしているだけでなく、ごみとして処理する際の二酸化炭素排出や処理後の埋め立て等により、環境への悪影響も大きいんです。
そんな食品ロスを少しでも抑えるために私達にできることは、賞味期限切れの食品を簡単に捨てないこと。
日本では、試験によって算出した可食期間に安全係数(国の推奨は0.8)をかけて賞味期限を設定します。
さらにメーカーによっては、賞味期限を短く設定することで食品を新鮮なイメージにするために、安全係数を低く設定していることもあるんです。
なので、現在は賞味期限がかなり余裕を持って設定されており、延ばしても安全性に問題は無いんですよ。
賞味期限と消費期限の違いのまとめ
賞味期限と消費期限の違いは
- 安全性
- 年月日の表示
- 食品劣化の速さ
などがあげられます。
賞味期限は多少過ぎても大丈夫。消費期限は基本的に過ぎたら食べない方がいいと考えると分かりやすいでしょう。